軍手について

特紡について

まず、軍手の糸について、ここでは特紡について述べます。特紡というのは簡単にいうと、綿くずをより集めて糸にした物です。この方法はいろいろあります。まず、昔からの製法で綿くずを糸にして、それによりをかけて糸自体を強くする。工程が多いため現在では少数派ですが、だんぜん強い。また、空気精紡という方法で、空気の圧力で小さい穴へ綿くずを通して1本の糸にする。ただし、コストダウンするため工程を減らし1本1本のよりが弱いので、糸自体はそんなに強くない。通称「シノ」と呼ばれている糸もこの製法です。これは途中の工程を省いてよりをつける前に手袋を編んでいるためコストが安くすむ。最近良く出回ってます。ただし、風合いがいいので高級そうにみえてしまう。日本一というブランドをどこでも見かけると思いますが、シノが多いです。

 この特紡糸を2本あわせて1本の糸にみたてて軍手を編んだのが、2本編みの軍手です。1本半、2本半というのもありますが、これは特紡1本(2本)に混紡糸1本をかましてます。
 この特紡の軍手は綿100%の様に思われがちですが(綿というシールがはってあるのもあるので間違えやすい)、実際はくず綿や糸くずを集めてきてるので、レーヨンやらエステル系やらが入っている。特紡軍手は基本的に使い捨てです。もともとはくず糸等なので、洗濯するとボロボロととれてくるんです。最近、不況の影響で洗って使ってる方もいらっしゃいますが、2本編みで2,3回ぐらいが限度でしょうか。

 シノや空気精紡の軍手は見た目がきれいです。真っ白い物や、風合いがいいものはだいたい空気精紡の糸です。当社では空気精紡の商品は1種類しかおいてません。糸の強い方を力いれてます。この方が持ちがいいのでお客様に喜ばれるのではないかと考えております。
 
価格帯について
今、ホームセンター等で安いのが色々売られてますが、250円以下の商品についてはどれも似たようなもんです。売り手側の利益が多いか少ないかだけです。目玉として利益なしで売っている所もあるようです。これが良いか悪いかは別として、300円以下は輸入物で1本半から2本編みが中心です。3本編みの輸入物が400円から500円ぐらいでしょう。国産は、2本編みが450円から500円、2本半が500円から650円の範囲です。
国産はさすがに品質的にも安定していてしっかりしています。輸入物は円相場にも影響を受けますので、250円以下で売ろうとすると、1ドル、120円の今の相場ではかなり苦しいと思います。当社でも250円以下は扱っておりますが、継続して品質が安定してなおかつ、供給も安定した商品しかおきません。欲しい時にありませんではお客様が困るでしょう。ねぇ、そうでしょう? 
また、価格に重要な要素として重量があります。同じ2本編みの軍手でも、手袋の大きさは同じなので、重い方がより目もつまって厚手になります。当社では、輸入物でも2本編みで最低600gはつけてます。600gというのは、通常軍手は、1ダース(12双組)で1袋に入って、それを10個(つまり10ダース)で1くくりにしてます。その1くくりではなく、1ダースの重さです。重さは持った感じわかり難いですが、1くくりを持てば違いがだいたいわかります。また、1くくりの長さが長い方が重いという判断もできます。 

補足的に、軍手を裏返して見てください。糸が見えてると思います。その先をつまんで引っ張ってみてください。「シノ」と呼ばれる糸はすぐちぎれます。よりのしっかりした物は引っ張ってもすぐちぎれません。すぐちぎれる物は、洗濯するとボロボロになって使い物になりません。よりのしっかりした物は、2,3回の洗濯にたえます。当社でいうと、国産2本編みの430円のがしっかりしてます。プロの方の1番の売れ筋です。

混紡、純綿について
 特紡に比べて、こちらはきちんとした紡績の糸を使用しています。要するに服の生地を作るのと同じ糸です。ですから洗濯しても持ちます。純綿は、特に火を使う方におすすめです。これも、裏返して見てもらうとわかりますが、1本の糸自体は大変細いです。特紡の半分以下です。これを、5本から15本使用して編んでます。ですから、純綿の価格の違いは単純に重さです。この純綿も輸入物で大変安いのがでてきてます。品質も良いものがでてきてますが、やはり国産には負けます。家族でキャンプ等には輸入物で充分ですが、やはりプロの仕事用ではまだ国産をすすめます。
 この純綿には手首がゴムのタイプとゴムの入ってないカフスタイプがあります。カフスタイプは旋盤等を扱う仕事向きです。旋盤に軍手が引っかかった場合、手首がゴムだと手ごと持っていかれますが、カフスタイプなら軍手だけがはずれて手は無事です。






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